【Excel入力テンプレート完全ガイド】シリーズ#
この記事で学べること#
- Excel入力テンプレートの全体構成
- 各シートとセクションの役割
- 入力作業の流れ(概要)
対象読者#
- JSBSim XML Generatorをインストールした方
- これからExcel入力を始める方
JSBSim XML Generatorをインストールした次のステップは、Excel入力テンプレートへのパラメータ入力です。ここが機体モデル作成のメイン作業になります。
本シリーズでは、Excel入力テンプレートの使い方を3回に分けて詳しく解説します。第1回の今回は、テンプレート全体の構成を理解しましょう。
Excel入力の全体像#
入力テンプレートとは#
JSBSim XML Generatorには、Excel形式の入力テンプレートが同梱されています。ファイル名は aircraft_input.xlsx (プロジェクトにより異なる場合があります)です。
このExcelファイルに、機体の諸元・性能をセルに入力します。
入力から生成までの流れ#
- Excel入力テンプレートを開く
- 各シートに機体パラメータを入力
- Excelファイルを保存
- XML生成コマンドを実行
- JSBSim用XMLファイルが自動生成
なぜExcel入力なのか#
Excelは誰でも使える馴染みのあるインターフェースです。セルに値を入れるだけで、XML構文を一切意識する必要がありません。これが、初心者でも短時間で機体モデルを作成できる理由です。
テンプレートの構成#
Excel入力テンプレートは、複数のシートで構成されています。
シート構成#
1. 基本情報シート#
機体名、作成者、バージョン等のメタデータを入力します。
2. 機体諸元シート#
翼幅、翼面積、重量、重心位置等、物理的なパラメータを入力します。ここが最も重要なシートです。
3. 空力係数シート#
CL(揚力係数)、CD(抗力係数)、Cm(ピッチングモーメント係数)等の空力特性を入力します。
4. エンジン・プロペラシート(オプション)#
エンジンタイプ、推力、プロペラ直径等を入力します。電動モーターにも対応しています。
5. 操縦系統シート(オプション)#
エルロン、エレベーター、ラダーの効きを入力します。より詳細な制御が必要な場合に使用します。
セクションの役割#
各シートは、JSBSimのXMLファイルの特定のセクション(<metrics>, <mass_balance>, <aerodynamics> 等)に対応しています。Excel入力するだけで、これらのXMLセクションが自動生成されます。
推奨される入力順序#
すべてのシートを一度に埋める必要はありません。以下の順序で進めるのがおすすめです:
- まず基本情報と機体諸元(次回詳しく解説)
- 次に空力係数(第3回で解説)
- 必要に応じてエンジン・操縦系統
まずは最小限の情報で機体モデルを生成し、FlightGearで飛ばしてみる。その後、パラメータを調整していく、という流れが効率的です。
本シリーズの進め方#
- 第2回: 基本パラメータ編 - 翼幅、翼面積、重量等の具体的な入力方法
- 第3回: 空力パラメータ編 - CL、CD、Cm等の入力方法とトラブルシューティング
まずは全体像を理解した上で、次回から具体的な入力方法を学びましょう。
続きを読む#
テンプレートの全体像を理解できましたか?
次は、実際に基本パラメータを入力してみましょう。
→ 【第2回】基本パラメータ編 - 翼幅・翼面積・重量の入力方法
関連記事リンク#
このシリーズを読む前に:
- なぜExcelから始めるべきか - ツールの価値を理解
- 5分で始める - インストール編 - ツールのインストール
参照資料#
本記事の執筆にあたり、以下の資料を参照しました:
オープンソースプロジェクト#
- JSBSim XML Generator - CC BY-NC-SA 4.0
- Excel入力テンプレートの構成、ドキュメント
その他#
- 筆者の過去調査データ(jsbsim_investigation, private repository)
- Excel入力テンプレートの設計思想
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